前回からやや時間が経過してしまったが、その後の動きを遅ればせながら報告する。
今回はアメリカのマスコミや建設・技術関係の論調がどのような反応を起こしているかについて記述してみたい。
下は『エンジニアリングニュースレコード』( ENR )に掲載された記事に対するEIMAの反論である。元の論説は2008年2月11日付で掲載され、既にアーカイブとなって有料で頒布されているので、原文は購入したもののその翻訳を著作権上ここに掲載するわけにはいかないが、下の反論を見ればおおよそ察しはつくものと思われる。
反論は2月13日にENRに掲載されたが、同文をEIMAのホームページでも公開しているので、今回はこれをそのまま翻訳してお伝えしたい。筆者はEIMAのクレムキー専務である。
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2008年2月12日
エンジニアリングニュースレコード
Two Penn Plaza、9階
ニューヨーク、NY、10121
論説「ラスベガスの火災 スタッコは危ない火種を証明」(2008年2月11日)への反論
2月11日付け『エンジニアリングニュースレコード』で「ラスベガスの火災 スタッコは危ない火種を証明」と題された無署名の論説(p48)は外断熱仕上げシステム( EIFS )産業に対する不当で誤った情報による攻撃です。EIFS 産業協会( EIMA )の専務として、私は EIMA のために重要な誤りと不正確な情報がこの論説に含まれていることを指摘せざるを得ません。
何よりもまず第一に、熔接による事故が「建物の建築的ディテールを形成している EIFS に火をつけ」という文章は間違っており、このことはEIFSの性質に対する無知あるいはこの火災の実態に対する無知を反映しています。火災の報に接してすぐにEIMAはコンサルタントと契約して翌日には現場に派遣しました。彼は地元の建築担当官、消防署長、 ATF のメンバーおよび所有者代理人と会合し、そしてまだ積極的に現場で火災の評価に携わっています。
事前の情報によると、火災はEIFS 外壁では起こっておらず、EIFS ではなく、耐火テストが行われていない可能性のある装飾用の発泡プラスチック部分で起こったと見られます。要点は外壁において火災が始まった場所の材料がまだ正確に識別されていないということです。将来、試験によって使われた材料の成分を正確に識別し、偶然発生した火災にその成分がどのような影響を与えたかを検証することになると思われます。
第二に、論説はその反対に EIFS が火災によって影響を受け「縮み」あるいは「融ける」ことになったという誤った現象を示唆しています。あなたは裏にある発泡断熱材の性能を、設計・施工された工業化製品システムの性能と混同しています。実は、 EIFS は安全で耐久性のある建物外装材として機能します。そしてそれは長期間にわたり全米火災防護協会で普及している試験手順に基づいた耐火試験によって検証されています。通常 EIFS は耐火性能を持っています。
それらは試験に合格した難燃性のポリスチレン発泡プラスチック断熱材と、連続した基材とグラスファイバーメッシュを含んだ仕上げ塗膜の層で構成されています。EIFS は設計されて試験された性能が現実の世界でもその通りに発揮されることが証明されています。
あなたはEIFSの構成成分を、外面的には類似しているが異なった素性と化学特性を持つ構成成分と混同しています。火災試験を受けていないある特定の材料(例えばポリウレタン被覆発泡プラスチック装飾物)が外面的にはEIFS に似ていることもありますが EIFS システムではありません。このような材料で建設されたものは火災時に異なる振る舞いをします。そして、最も重要なこととして、それらは耐火性ではないため建物に使用することはお薦めできません。試験されていないか、あるいは非常に外観が EIFS に似ているものの不十分な試験しか受けていない材料が世の中に多く存在するため、建築家とデベロッパーがEIFS のような、真に完全な火災試験を受けた外壁材料を指定して使用するように強調することは EIMA にとって特別の関心事なのです。
過去10年以上、 EIMA とそのメンバーは常に火災試験に合格した材料と、規定に従って承認された完全な EIFS システムだけを使うことの重要性を強調してきました。EIFS は40年以上にわたり広範囲にストリップ沿いの有名な多くの建物に使われてきました。加えるに、 EIFS はエネルギー省のためにオークリッジ国立研究所によって行われた熱と水蒸気試験で、優秀な外壁システムであることが認められています。
火災テストと EIFS が過去に蒙った実際の火災の挙動に基づいて判断すると、今回の火災時の外壁材の挙動は、それが適切に設計され設置された EIFS システムではないことを示唆しています。
最後に、論説は25年以上前に起こった MGM とヒルトン火災に不正確に言及して、必要もないヒステリーと恐怖を訴えています。これらの火災は内装仕上げ材と室内装備品を巻き込んだ内部火災でした。これらの火災の後、合衆国全体の建築コードは火災で学んだ知識を元にこのような大惨事を避けるべく修正が行われています。専門的な観点で見ると、 MGM とヒルトンの火災はモンテカルロの火災と共通点を何も持っていません。さらに、モンテカルロ火災の結果として構造的な損傷はなく、速やかに修復されて2008年2月15日には再稼働することになっています。
EIMA のため、我々は公式に論説の即刻の撤回あるいは訂正を求めます。我々は高い評判と広範な発行部数を誇る ENR という刊行物がこのように不注意に我々の産業を中傷し名誉を毀損することに困惑し危惧を抱いています。我々はこの論説によって実証された ENR の外見上明白な客観性の欠如、性急な判断、調査の欠如を危惧しており、どうしてこのようにはなはだしく不正確な論説が出版されたかについて説明を求めたいと思います。
EIMA は EIFSに関連したデザインと建築にとって、試験された材料だけを使う必要性を建築産業に訴え続けます。あなたの読者とファンが正しい壁材と EIFS の使用について知識が得られるよう、私は ENR に即座に紛らわしく不正確な記事を修正するよう促したいと思います。EIMA の Web サイトwww.eima.com は EIFS 情報の良い源泉です。
敬具
EIFS産業協会専務 Stephan E・ Klamke
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以上が、反論分である。この反論に対しENRがどのような反応を示したか。次回に触れることにしよう。