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2009年10月 アーカイブ

2009年10月30日

『東京のマンション2009』

10月30日付の日経新聞東京地方版で東京都が発表した『東京のマンション2009』の解説が出ていたのでご紹介したい。マンションの行く末について深刻な事実が明らかになっている。

2008年末現在で都内にはマンションが146万戸あり、マンションに居住している世帯の割合は4世帯に1世帯。たかだかこの50年程度で都内に住む4分の1が、伝統的な一戸建て(またはせいぜい2件長屋)から、共同住まいに移動したということを「住宅革命」といわずしてなんというべきだろう。

戦後の住宅難があったことを知っている最後の世代も還暦を迎える時代となったが、住宅難の解消に果たしたマンション(集合住宅)の役割を見逃すべきではないだろう。

しかし、一方でその影は深く暗い。
築年数を経過したマンションが年々増加し、築40年以上のマンションが、10年後には4.5倍(24万5千戸)になるという。また、居住者の高齢化も進行し、世帯主が60歳代以上の割合は31.7%(平成15年度)から39.4%(平成20年度)になることが予想されている。

その結果、管理組合運営における将来への不安のうち、「区分所有者の高齢化」が51.1%と、「管理組合活動に無関心な区分所有者の増加」35.9%を大きく上回っている。

さらに、適切な時期に必要な大規模修繕工事が実施されていない現状がある。修繕積立金(月額)が長期修繕計画の予定工事費(月額)より少ないマンションが多く、今後、修繕積立金の見直しや資金調達方法の検討が必要というが、現実問題として困難な状況が目に浮かぶ。

また、 耐震診断は旧耐震基準下で建築されたマンションでも7割が未実施。耐震改修の費用がないことや区分所有者の耐震化に対する関心が低いことなどが、耐震化の進まない主な要因としている。

いずれ避けては通れない建替えの検討も進んでいない。その理由として、関心の低さ、費用負担、修繕・改修と建替えの適切な選択ができないことなどに加え、法令等の改正により建替え時に既存の規模を確保できない(既存不適格)ことなども要因の一つになっている。

今後、建替えに対する意識を高めるため、管理組合及び区分所有者への普及啓発や、コンサルタント、デベロッパー、区市町村担当者など建替え事業に関係する人材の育成を行うとともに、既存不適格マンションなどの建替えに当たっての制度的な課題に関して、柔軟な対応が可能となるよう国に要望していくなど、建替え円滑化のための環境整備を図っていくことが必要と結論づけている。

マンションの区分所有権は個人の重要な権利であるが、共同生活を送る上では他の権利者との調整(妥協)を図らなければならない宿命にある。等しく権利と義務を負った個人が、民主主義的に自らの財産(利害関係)について議論されるような場所は、管理組合以外ほかにはあまりない。合意形成を目指して、他人任せにできないぎりぎりの主張と妥協が繰り広げられる世界であるが、戦後民主主義教育の成果がここで試されているように思える。

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