| 『日経新聞』5月21日夕刊が報じるところによると、衆議院が地球温暖化防止条約・京都議定書の批准を承認したとのことである。今国会で参議院でも承認され成立する見込みであり6月上旬には批准が確定し、今秋にも米国を除いて同議定書が発効する運びとなった。
議定書による2010年(実際には2008年から2012年の平均)の日本の温暖化ガス排出量削減義務は1990年に対し6%である。「成り行きにまかせると1990年に比べて2010年は約7%増加する」との当初の政府見通しのもとに、実質13%の削減が必要と見込まれていた。ところが99年時点で既に90年比6.8%増加しており、見通しより早いピッチで悪化しているという。(現在はどうなのだろう。)
同じ記事によると今国会で成立する「地球温暖化対策推進法」の改正によって、産業部門・民生部門・運輸部門に削減目標を割り当てるが、当面の措置は省エネ努力などにとどめ新たな規制はほとんどないという。2010年までは残り8年しかないが、この程度で国際公約が実現可能なのかどうかについて、どこにも情報がないので筆者にはよく分からない。
分からないことのついでに排出権がある。これは目標達成が厳しい国が他の国で余った削減分を購入できる制度であるが、一体日本は排出権の売却国になるのかそれとも買い取り国になるつもりなのか。議論の流れから察すると後者のように見えるが、そうなら最初から削減努力を怠っているとしか思えない。
政府(や大組織)にはどうも議論をとことん突き詰めたがらない(すなわちある前提に基づく論理的帰結が明らかなのに余韻を残してうやむやのまま安心する)傾向(または風土・風潮・配慮・遠慮)があり、無為に時間だけが経過しかねない。時間切れ滑り込みセーフなら目出度し目出度しだが、アウトになった時には責任が問われるべき関係者はとっくに退場している。やんぬるかな。
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