中古マンションの折り込みチラシにつられて、近所だったので散歩がてら冷やかしに行ってみた。築15年、五階建ての二階、面積約100平米、価格は一週間ごとに下がっているようだがそれでもまだ4千万を越える。
間取りは雁行型に並んだ3LDKで居間の広さが20畳程度あるところが売りらしい。売却に先立ち、室内がリフォームされ、すべての建具(ドア)は新品に、台所もシステムキッチンに変えられている。床、壁、天井が張り替えられているのは言うまでもない。
中にはいると、アルバイトとおぼしき女性の案内を受ける。仲介しているのはこの地に縁のない不動産業者である。リフォームの指揮はそこが執ったらしい。インテリアコーディネーターがデザインしたと言うが、壁紙に嫌みな腰のラインを付けたり、ドアの開き勝手を3カ所も間違えているなど悪いところばかりが目に付いた。こんなことなら、内装撤去、スケルトンで安く売った方が売れ足が早いのではないかと思われた。
内部はきれいに隠しているがバルコニーを見ると、室外機を撤去した後の防水が切れていたり、排水勾配が悪いなど元々の欠陥も目に入る。共用部まで手が回らなかったらしい。管理会社を聞いたら、電話で問い合わせていたが仲介業者が把握していない。失格である。
それはともかく、元の所有者の趣味だったらしく、外壁側の壁に幅3尺、高さ6尺の大きな姿見がそのまま残っていた。よく見ると中央付近に黒いシミのようなものがあり鏡の裏側なので拭くことができない。気にしなければ目立たないのだがこれはカビである。クロスを取り替えても下地の石膏ボードはそのままだろうから、内断熱である以上中がカビだらけの可能性がある。
ここまで考えて愕然とした。スケルトン売りをするとカビの痕が見えるのか。きれいにしてもカビがまた生えることが分かっているマンションなど売れないだろう。スケルトン売りする条件が生まれにくいと言うことだ。
リフォームの時代という。自分のマンションを本気でリフォームするなら石膏ボードもはがして大掃除をするに如くはない。カビだらけの壁を見たら自分が悪いのか、建物が悪いのか、建物を造ってくれた関係者が悪いのか(以下略)じっくりと考える気分も生じる。マスコミは飛びつき、関係者は重い腰を上げることだろう。 |