手近にある大辞林第二版(つまりインターネット版)によると、それぞれの言葉の意味は、
- 【修繕】(建物や品物の)悪くなったり破損した箇所を直すこと。修理。「屋根を—する」
- 【補修】 こわれたところをつくろうこと。「堤防の—工事」「古美術品を—する」
- 【改良】 物事の悪いところを改めて、前よりよくすること。改善。「品種を—する」「—型」「—種」〔reform の訳語として明治期につくられた語〕
- 【改修】 悪い所やいたんだ所に手を入れて直すこと。「堤防を—する」「道路の—工事」
となっている。「改良」には積極的な「改善」の意味があるが、他は総じて元通りに直す意味合いはあってもそれほどの違いはないように見える。
ところが、建築の現場では「修繕」と「改修」とは大きく異なるのでここでご紹介したい。
「マンションの大規模修繕工事」という言葉が典型的だが、大概の場合鉄部が錆びたり、外壁に亀裂があったり、屋上の防水が痛んだり、給水ポンプが壊れたりという理由などで、できるだけ元の姿に戻そう、あるいは機能を回復しようという目的で工事が行われる。これが「修繕」である。
これに対し、それまでなかった衛星放送に対応したアンテナに取り替えたり、高速インターネットの回線を引き込んだり、玄関ドアをオートロックにして防犯機能を高めたりすると、これは「改修」の部類にはいることになっている。「修繕」とは劣化した性能を(できたら)新築に近い形に回復することを指し、「改修」とは機能や性能をもとからあったものよりも向上させる工事をいう。従って現状よりよくなるからといって、タイルの浮きを元に戻したり、目地を手直しするくらいでは「改修」とはいえない。
このホームページで「外断熱改修」という言葉を使っているが、これは文字通り「改修」であって単なる外壁の「修繕」、「補修」ではない。詳しくは該当ページをご覧いただきたいが、「外断熱改修」には結露を防止してカビの温床を取り除き健康な住環境を作ったり、蓄熱作用による省エネ効果をもたらしたり、躯体を保護して耐用年数を高めたりと、同じ外壁に修繕費をかけるなら(外壁の修繕費の大部分は足場代であるから、全体としてそれほど高くなるわけではない)、遙かに効果の高い外断熱改修にしようという声が少しずつだが沸き起こっている。報じられること少ないが、全国の病院や公営住宅の外断熱改修への動きを見るともはや桐一葉ではない。 |