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腹芸
2002.6.27

 筆者にも経験があるが、以下は設計者と建築主事のやりとり。最近は建築基準法の改正により確認申請で以前は通っていたものが不適扱いになるものが出てきたりかなり混乱があるようだ。『日経ホームビルダー』7月号から拾ってみた。

問題 『新しい基準法では9.5mm以上の石膏ボードを貼ることになった。では増改築時に既存の建物で石膏ボードが9mmしかないときは、それを貼り替えなければいけないか』

A主事:「法律はそうだが、現実は悩ましい。そこまでは指導できないだろう」
B主事:「我々が(見のがすという)法律違反をするわけにはいかない。少なくとも建て主に伝える。直すかどうかは事業者責任」
C主事:「図面に書いてあったり、聞かれたら(直すように)指導する。設計者に判断してほしい」
判断してほしいのは「聞くべきことかどうかということ」だ。

 以下は同じ質問ではないが、一般市民にとっては「どちらでもいいではないか」と言いたい問題で、
D主事:「聞かれたら、法律通りですと答えるしかない。本音を言えば聞かないでほしい」
E主事:「基準法では、図面にどこまで書けとは書いてない。相手もプロだから、「適合ね」「はい」「じゃよし」といきたい」
 極めて明解。書いてあれば、ダメと言わざるを得ないだろうから、こちらを忖度して問題を持ち込むなといいたいようだ。

 設計者と建築主事とのやり取りにはこのような話が多い。建築確認とはプロが法律に従って引いた図面に法律違反がないかを確認する行政処分だ。ところが図面と該当条文の解釈を巡って主事の「主観」や「裁量」がないわけではない。設計者も建て主の希望と法律の制約という狭間で葛藤している。設計者の側から言いたいことも同誌に掲載されているが割愛した。