「日経ホームビルダー」9月号で面白い実験をしている。
外観80cm程度の「内断熱サイコロ」、「外断熱サイコロ」を作って、内部の温度がどうなるかと極めて「素人的に」実験したものである。断熱材は厚さ50mmのポリスチレンボード、「躯体」は木組ないしパーティクルボード。「穴あき」、「穴なし」など多少の条件を変えて合計8つのサイコロを作り、この7月にバルコニーに出して外気温と内部温度の様子などを調べたという。
外断熱・内断熱の比較モデルとして適当なものかどうか、アカデミックな視点からは大いに異論もあると思うが、このように「とにかくやってみよう」というこのシリーズの姿勢は大いに評価したい。
で、結果はどうか。筆者としては意外なことに、たいした量でない木材でも「外断熱サイコロ」でははっきりと蓄熱効果が現われて、外気温と内部温度に1〜2時間の時間ギャップが生じている。それに対し、「内断熱サイコロ」は蓄熱効果がなく外気温にだいたい追随している。ただ、どちらもピーク時の内部温度は外気温39度に対し、42〜44度と高い。ただ「外断熱サイコロ」は、内部にたまった熱が夜間でも放出されず「内断熱サイコロ」ほど十分冷まされないという「常識的な」結論も出ている。しかし8個のバリエーションの中に、窓と見立てて穴をあけたサイコロがあり、「穴あき外断熱サイコロ」だけはピーク時内部温度が外気温より低く、1日の温度変化も外気温の変動幅より小さい。(フラットに近くなる)
単純な実験でもこのように明らかな傾向が現われたことは実に面白い。実際のコンクリート外断熱建物ではピーク時の温度上昇が自然に押さえられること、内外の温度差をチェックして、特に夜間に換気を増やして躯体の温度を下げるよう工夫することで、ピーク時の温度をかなり和らげ快適になる、というこのサイトの主張と矛盾しない。今度は冬季の実験に挑戦するそうだ。簡単なことなのでぜひコンクリートの実験体も作って報告してもらいたいと思う。 |