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CM(コンストラクション・マネージメント)
2002.9.19

 CMとはコンストラクション・マネージメントのことである。従来ゼネコンなどに工事を一括で発注していた方式に対し、施工全体のスケジュールやコストの管理をコンストラクション・マネージャーに、そして品質や安全をゼネコンに担当させ、工事は直接専門会社に発注する方式のことである。

 そのメリットとして、専門会社は必要な工事費を受けられるために工事が適切に行われ、ゼネコンも無理なやりくりをしなくても適切な管理費を受け取ることができ、発注者側も不明な経費を排除できて合理的な価格で発注することが可能となる、ということが期待されていて、実際この方式でうまくいった多くの例が報告されている。当然のことながらキーマンとなるコンストラクション・マネージャーの力量によるところが大きい。

 これらの期待に反し、日経アーキテクチュア9月16日号では、CM方式の失敗例が報告されている。同誌の記事を詳述する余裕はないが、舞台は宮古市、コンストラクション・マネージャーはW大学のO氏。発端は昨年12月、突然農水省から8億円の補助金がついたことから始まったという。条件は昨年度内に着工し、今年度内に該当工事を完成させなくてはならないことであった。CM方式を採用することによって3月時点では図面ができないまま既存物件の解体工事が始められたが、その時点では正確な工事費が把握できず、遅れた実施設計の段階でも大きな設計変更が加わるなどがあって気が付いたら5月には工事費が9億円ほども増えることが判明した。そこで工事を一時中止する一方で3階建てを2階建てに縮小してなお3.5億の予算超過を議会に求めるなど市の右往左往ぶりが窺われる。

 事態はまだ進行中だが、この責任を取って、市長・助役・収入役は減給、担当課長を課長補佐に降格させて更迭するなどまだ混乱は続いている。同市の議会議事録のアップデートが遅れているので現時点では十分な公開には至ってないが、同誌の取材力とこのタイミングで記事をまとめ上げた手際の良さには拍手を送りたい。

 役所の単年度予算に伴う多くの諸問題、中央から地方に配られる予算やその統制、他人の金(税金)に対する無責任な予算獲得や使途の決定、責任と実力を伴わないCM起用の危うさなど、この例から学ぶことが多い。ここには単なるCMの失敗だけではない深い問題が潜んでいるように見える。