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高齢マンション再生
2002.10.3

 最近は高齢マンション(老朽化マンション)の話題が新聞などで屡々報道されるようになった。多くの記事から漏れてくるのは溜息ばかりで、具体的な行動計画や改善策を提示しているものは少ない。そんな中で日経新聞が現在夕刊に連載中の「高齢マンション再生」は問題点を指摘すると同時に成功事例を取り上げ、ポジティブな方向を目指しているのが目につく。例えばこうだ。

 10月2日の同記事では、兵庫県播磨町にある築29年の県営賃貸住宅を、建て替えでなく改修で対応している様子を取り上げている。五階建ての住宅の改修内容は、建物の躯体(コンクリート)だけを残して間仕切り、天井、床、給排水管、電気配線などの付属物を全て取り払うという本格的なものだ。さらに階段室ごとにエレベーターも設置する。費用は1基あたり800〜1000万円かかる。それでも改修費用は建て替えの半分程度ですむという。担当課が考えている耐用年数は70年で、あと40年は保つことを想定している。妥当な計算だ。このケースの改修規模なら外断熱機能を付加しても仕様によっては総費用はあまり変わらないと思われるがその点に言及していないのは残念。

 周辺に工事を行いやすい空間があり、工事中の引っ越しもその団地内などに斡旋してのことだろうから改修に恵まれた条件とは云える。

 同じ記事の後半で指摘しているのは都会での再生問題だ。これまで建て替えが可能だったケースは、容積率の余りを目一杯使って前より戸数を増やし、その分譲の上がりで建設費をまかなうという事例に限られていたといってよい。国土交通省の推計によると1975年以前に作られた都内の民間分譲マンションの6割程度は、現行の容積率を越えた「既存不適格」だという。建築基準法で改めて確認申請を必要とする改修工事が一切認められない(一部を取り壊して小さくしなければならない)としたら、これらには改修の道を閉ざしてしまうことになる。改修する限りにおいては容積率オーバーを(特例として)黙認することが現実的な対応かも知れない。