日経新聞朝刊一面のシリーズ記事「デフレが蝕む」第6部「新たな活力を求めて」の平成15年7月7日のタイトルである。
現状認識として、粗悪とはいえないにしても耐久年数の短い住宅へのいらだちがある。マンションだけではない。ビルや高速道路も築30ー40年で耐用年数を越えつつあるものが少なくない。国土交通省によると、住宅の平均寿命(全住宅数を年間新築戸数で割った数字)は日本が30年。米国96年、フランス86年、英国141年という。住宅寿命を欧米並みの100年に延ばせれば30年ごとに各世代が背負うローンが縮小され、所得を家具やその他の消費にまわすことができる。
住宅だけではない、豊かな住空間をつくるには街並の整備も重要だ。不動産価値を高めるような建物の色・デザインの統一・歩道や緑化の整備などは自治体の基準づくりが不可欠と説く。だが、わが国ではこれまで美しい街並づくりに成功した例は少ない。海外に多くの旅行者が行って、かの地の街並の美しさに感嘆するが、それがわが国の整備に与って力がないのはどうしたことだろうか。
話を住宅に戻そう。記事では外断熱のマンションが販売されていることも紹介している(康和地所)。通常より約一割高いがコンクリート寿命を100年は保てることが売りだ。この記事が言っているデフレ克服のための提言のポイントは、「『住』の安心で消費を解き放て」、「長寿命住宅は三世代のローン軽減」、「波及効果大きい都心に投資を」、というものだ。
この三年ほど筆者なりに目にした記事や論文では、長寿命につながる建物はどうやら外断熱が不可欠という認識に落ち着きつつある。外断熱を取り巻く世間の動きも確実に一歩を踏み出しているようだ。 |