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ニューヨーク大停電
2003.8.20

 8月14日午後4時過ぎにアメリカ東部とカナダで発生した大停電は約5000万人の人々に影響を及ぼしたという。実に日本の人口の4割に匹敵する規模だ。大半が回復するまでに丸2日もかかり、交通機関や食料品の保存をはじめ様々な局面で被害者は大きな迷惑を蒙った。

 事故の原因は現時点ではまだ解明されていないが、送電線の老朽化や管理システムの容量不足などが指摘されている。遠因をたどればアメリカにおけるエネルギー消費の際限ない膨張にあることは明らかであるが、現代消費社会の無限地獄に対する警告と考えれば日本でも対岸の火事と安穏としているわけにはいかない。

 思えば、今年は東電の原発全面停止から声高に電力危機が叫ばれたが、幸か不幸か一部の原発再運転と冷夏に助けられこの夏はなんとか乗り切れたようだ。ニューヨークの停電を見ると改めて社会や身の回りがいかに電気生活にどっぷりと漬かっているかが分かる。あらゆる情報網が電気の助けなしには作動しない結果、電気が止まれば交通機関、物流、上水道などのインフラが全て停止してしまうことになる。今さら電気なしの生活が考えられない以上、電力消費の抑制・削減はわれわれの生活上極めて重要である。

 筆者が理解している限りでは、電力危機の直接的な回避方法は真夏の昼間時におけるピークカットにあり、しかもその供給をこれ以上増やすことは困難なのだから、対策としては電力使用の時間的な分散、ピーク時に使用する機器の電気からの代替、クーラー使用の抑制につながる都市のヒートアイランド化防止、そのための都市内樹木地の拡大など、いずれもすぐに実現できないまでもその目的に添った施策に力を入れ、10-20年である程度の成果を見ることは可能と思われる。こういう地道な見識を持った政治家が必要であり、この意味で政治や行政の力量は無視できないのだ。