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電力危機の終結
2003.9.2

 9月2日付日経新聞で東京電力の勝俣社長が「電力需給は厳しい局面をほぼ乗り切った」と記者会見したことが報じられている。今夏に懸念された電力危機の終結を宣言したことになる。

 電力危機を乗り越えた要因として記録的冷夏に加え、企業や自治体、家庭による節電をあげているが、何といっても冷夏の影響が大きいと思われる。今年のピークは8月5日正午に記録した5650万キロワットで、節電効果は原発1基分に相当する130万キロワットだったという。

 東電は全17基の原発のうち8月31日に再稼働した1基を含めても現在は6基しか動いていない。その代わり旧型火力発電などをフル運転させたことだろう。これはCO2削減という国策からすると逆行である。
 一方で無理な節電もあっただろうが、いくつかの原発なしで済ませられたことの意義は大きい。この問題は原発論議だけに終始すると本質を見失う。かっての70年代の石油危機の時ほどの騒ぎもなく、このままではきっと喉元過ぎて熱さを忘れるの類になりかねない。石油をとるか原子力をとるか、どちらをとっても環境や安全。便利さなどとトレードオフの関係にある。適切なエネルギー計画について政府は事実をわかりやすく整理して誰もが参照できるように公開するべきである。

 結局11基の原発が稼働しないままこの夏をどうにか乗り切ったことになるが、東電にとっては停電より原発不要論につながりかねない「成果」の方が恐ろしいことかも知れない。