日経新聞9月20日号「けいざい探検」で「自由設計 マンションの壁破る 間取りや設備を購入後に決定。規制緩和で可能に」という記事が出ている。
これまでマンションは、設計図通り全ての間仕切りを作り上げ、内装・設備を設置した上でないと販売(完成後引き渡し)することができなかった。これは建築基準法に火気使用室の内装制限や、居室の採光、換気確保などの規定があって、実際の内装材や設備が仕上がってないと竣工済み証の交付を行ってくれず、ひいては建物使用許可を下ろさなかったことによる。
マンションの場合、1室でも未完成の状況だと他の住戸にも住むことができないので、結果的に竣工時までには一応の工事を行い、竣工検査済み証交付の後で一部を取り壊して再度工事を行うこともあった。これだと販売時のみならず、将来のリフォーム・改造時にも融通のある作り方を行いにくく、結果的にマンションの社会的寿命を短くしてしまう傾向にもつながっていた。
ようやく昨年12月の基準法運用の規制緩和により、スケルトンとインフィルを分離して販売することが可能になった。スケルトンとは文字通りコンクリートの骸骨で、基本構造部と共用設備を指す。またインフィルとはコンクリート内部の個人の所有範囲で、自由に作り替えられる部分を指す。自由に作り替えると言っても、改造時の自由度を増すにはスケルトンの作り方もこれまでとは違って、床下を二重構造にして給排水の位置を自由に変更できるよう居室の階高を3m以上(私見では3.5m以上)確保したり、共用部分の配管設備などを10年、20年後であっても更新しやすく作るなど基本的な設計思想が必要である。
実はこのスケルトン・インフィルシステムにおいては外断熱が極めて有力かつ重要なキーとして注目されている。なぜなら基本的インフラであるスケルトンつまり建物を長寿命にする必要があること。外断熱は外壁の外側に施工するためインフィルに影響されないこと、何より基本性能である快適な恒温維持が容易なことなどがその理由である。これらを基本コンセプトとしたスケルトン・インフィルのマンションはまだないが、早期市場投入を大いに期待したい。 |