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「障害者」と「障がい者」
2003.10.29

 日経新聞10月27日夕刊に取り上げられていた珍しく漢字に関する話題である。「障害者」と表記することをはばかって、「障がいのある人」と言ったり、「障がい者」に変更している自治体もあるという。「害」の字の印象が悪いというのである。

「障害者」は戦後現われた言葉と思われるが、「障害」という言葉は戦後作られた国語改悪の例の一つである。本来は「障碍」(または「障礙」)であったのを、「さわり、さまたげ」の意味を持つ「碍」の字を当用漢字(現在の常用漢字)から追放して「災い」の意味を持つ同音の「害」を充てたために起こった混乱で、このような混乱はほかにもある。たとえば「高嶺の花」。ようやく最近はワープロの普及で「高根の花」と書かなくなったが、新聞を始め一流雑誌も一頃は「高根の花」盛りで閉口した。人口に膾炙した「お蔭」で「ら致」が「拉致」になったのも小さな変化である。

 体に障りがあっても、他人に害を及ぼすわけではないのに、「障害者」と書くと、言葉が与える印象が悪い。それで「障がい者」と言い換えたくなるのだろう。ここからさまざまな問題が喚起されるが、これ以上深入りするつもりはない。

 こんな大げさな問題ではないが、「外断熱」と「内断熱」。筆者にはこの用語が以前から気になっている。確かに断熱材をコンクリート躯体の内側に置くか、外側に置くかの違いに注目して名付けた用語には違いないが、一般にも専門家にも「どちらでもたいして違わないのではないの」という印象を与えて、外断熱の優位性の認識や普及が今一つ進まない原因の一つではないかと疑っている。

 では、なんと呼ぶべきか。外断熱推進派としては「外断熱」を「躯体断熱」、「内断熱」を「室内断熱」と言ってはどうかと考えている。コンクリートの躯体そのものを外気から断熱する方法と、室内の空気だけを外気同様に冷たい(または熱い)躯体から断熱する方法の違いである。後者の方法では暖冷房を停止すればすぐに冷えたり暑くなったりすることが字面からわかりやすいのではないかと思うが如何。