日経新聞12月14日朝刊「MONEY&LIFE」欄に「コーポラティブハウス入門」という記事が出ていた。
コーポラティブハウスとは複数の家族が集まって自分たちで土地を見つけ、希望通りに設計を行い、集合住宅を建設するもので、メリットとしては自分の住居の設計に希望が最大限に取り入れられること、価格が1〜2割安いこと、入居以前に全入居者の気心がわかることなどがあげられている。
反面デメリットとしては、組合員(事業を行う住民)同士の話し合いに時間がかかること、人間関係が煩わしいこと、必ずしも思い通りの設計にならないケースがあること、設計にこだわると予算オーバーになること、場合によっては必ずしも安くはないことなども指摘されている。
住民同士で設計・建設するとはいっても、そこにはコーディネーターと呼ばれる専門家や設計者が必要で、彼らがデベロッパーの役割(の一部)を担う。それだけにコーディネーターへの信頼とそれに応えられる能力が重要となる。広告や宣伝費がほとんどかからないので割安になることは期待できるが、組合員の希望を一つ一つ聞きながら、組合員間の調整も行わなければならず、その労力と気苦労は一般のマンション事業に比べて遙かに大きい。彼らがそれに見合うだけの報酬を得ているかというと、現実はそうはなっていない。
既にコーポラティブハウスの建設戸数が8000戸を超えるという。現在までに深刻な事業破綻が起こっていない(らしい)のはめでたいが、プロのマンション業者だって失敗があるこの業界だもの、中には関係者が薄氷を踏むような思いをした物件も数多くあることだろう。
コーポラティブハウスが一般のマンション事業と決定的に異なるのは、リスクのヘッジである。コーポラティブハウスでは土地購入の時点で組合員が資金を支出する。この時点でリスクが組合員に覆い被さるということだ。事前の調査がどんなに行き届いていても、予定(法律)通りに建物が建てられるかどうかは未知数である。思いもかけない規制や反対その他諸々の障碍が発生し、建設をあきらめることだって起こりうる。マンションの場合そのリスクはすべてデベロッパーが負い、その損は次の物件でカバーする。できなければ倒産するまでだ。コーポラティブハウスはこの物件がすべて、中止となれば関係者個人も破綻しかねない。最悪の事態をカバーするだけの手だてや制度による支援が必要であるが、現段階では全く不十分だ。
話は大きく外断熱に逸れるが、実は外断熱の集合住宅はコーポラティブハウスで早くから実績があり、マンション業者がぐずぐずしている中、外断熱に「目覚めた」人々が外断熱目当て(といっては言い過ぎだが)、少なくとも外断熱を検討事項に含めて設計を進めている事例が多い。思い通りの住居で耐久性の高い外断熱集合住宅、おまけに価格も安くできるとなれば、コーポラティブハウスが安全に普及できる制度を整えることは、まさに時代の要請に叶うものである。増税ラッシュの中、金をかけずに制度を整備して点を稼いではどうかと云爾。 |