「20XX問題」という形で、これからの日本を襲う(といわれている)様々な問題を何回かに分けてご紹介しようと思っている。外断熱とは直接関係なさそうなところもあるが、社会情勢と外断熱推進政策は関連していると考えられる。
その前に、まだ記憶に新しい「コンピュータ2000年問題」を思い起こしてみよう。わずか4年前のことだが、世界中で飛行機が落ち、銀行取引が停止、工場のプラント制御が暴走だの物騒な話が突然沸き起こり、コンピュータ特需とSE不足が発生して大騒ぎとなったが、年が明け、「大山鳴動」してもネズミが1匹もでなかったことが判明し、今度はアメリカの謀略説が起こる有様だった。不景気の中でも「200年問題のために」といえばどの企業トップも無条件で気前よく(無駄)金を払ったところを見ると、経営者もIT部門も自分で考えて行動したものは皆無だったように見える。
その次が「2003年問題」。丸の内、汐留、品川、六本木などで大型ビルが陸続と竣工し、オフィスビルの供給過剰と中小の古いビルにおける空室増加が起こった。新設ビルのテナント獲得競争も年を越す問題としてまだ続いているようだ。これはみんなが同じ考えで同じ方向に向かって行動した結果、ビルを同時に造り過ぎた現象に他ならない。
では今年の課題である「2004年問題」。
「2004年問題」とは流通・外食産業を襲う三重苦のことだそうだ。三重苦とは「消費税総額表示の義務化」「外形標準課税の導入」「パートへの厚生年金適用拡大」のことである。
消費税総額表示は、物品の価格を税込み価格とし、消費者には計算しやすい代わりに(給料の税金天引きのように)納税意識の稀薄化、また次の消費税率引き上げの地ならしを狙ったものといわれている。なぜ産業界が困るかというと「100円ショップ」(プラス消費税)が「105円ショップ(税込み)」のようになるため割安感が薄れ、購入意欲を殺ぐといわれているからだ。
外形標準課税は企業の規模(資本金や従業員数など)に対して課税するもので、これにより赤字企業が免れていた税金を徴収しようというものだ。法人税や事業税との差し引きで増減税なしを産業界は提唱していたが、増税要素のみが残った。
パートへの厚生年金の適用拡大は、パートにとっては厚生年金の支払いを免れるため少額・複数企業への勤務という不自然な雇用形態を加速することになる。一方雇用側は厚生年金の企業負担増を賃金に跳ね返すためにパート賃金の単価削減指向につながる。どっちにしてもパートに厳しい情勢が現出するだろう。
この間(つい最近のことだ)、あれほどマニフェスト選挙、政策選挙などといいながら、こんなに重要な事項については与野党とも全く頬被りで選挙を行ったのだ。またマスコミもこれらの問題を政党に尋ねることすらしていない。お義理で取り上げた小さく記事など国民は知らない。残念ながら情報は自ら取って来るしかない。 |