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キャッシュカード詐欺
2005.1.24
 ゴルフ場を舞台にしたスキミングといわれるキャッシュカード偽造詐欺事件の容疑者達が逮捕され、テレビや新聞を賑わしている。

 この事件ではゴルフ場の支配人が犯人グループに貴重品ロッカーのマスターキーを渡しての犯行だった。どの程度低級なゴルフ場か知らないが、支配人といえば経営責任者であり、たかがゴルフ場の問題とはいえ、世のサービス業、金融業界における安全神話崩壊の象徴ともいえる。IT技術の進展で、盗まれるものは手持ちの現金ばかりではなく、銀行に借金まで作られてしまうのだ。これまで我々が漠然と感じていた、財産特に預貯金などの金融資産の安全・安心については、とんでもない時代になったと思い知らされた事件ではないだろうか。

 一旦猜疑心が湧き起これば、ホテルのセーフティボックスや銀行の貸金庫すら油断ができない。カードの信用はもはやなきに等しい。便利の恩恵を享受してきたキャッシュカードやクレジットカーが一転して自分の財産を一瞬のうちに無にする凶器に変わりうることを如実に示したのだ。そしてこのような「凶器」がスイカや携帯電話などにも拡大しつつあり、更に巧妙な財産簒奪の手段になりかねない。

 このような「欠陥カード」を発行しておきながら被害は個人の責任という銀行の論理はまさに三百代言、開いた口が塞がらない。

 翻って建設業界はどの程度信頼されているのだろうか。

 手抜き工事などの故意の行為は今後財産侵害の詐欺まがいの非難を浴びることであろうし、流石に信頼の置ける建設会社では悪質なケースは淘汰されつつあるが、故意・過失を問わず欠陥を監視する制度はまだ完全とは言えない。

 人為的欠陥はさておき、工事発注者の無知あるいは制度未整備により起こり得る建物の「欠陥」をこのコラムのテーマに沿って指摘しておこう。建物の安全性とは、地震や風に対する安全と火災に対する安全のことである。幸い、幾度もの大地震の洗礼を受けた結果、新しい基準で設計された建物の安全性はかなり確保されている。

 一方、新しく台頭している(ここでは木造の外張り断熱も含め)「外断熱」の火災に対する安全性ははっきり言って未検証である。木造で言えば外壁に不燃のサイディングを使えば、通気層内に可燃性の断熱材を使用していても、現在では建設可能である。外気に開放された位置(通気層内)に設置した可燃材の安全性は実際の火災に対し安全かどうかまだ確かめられてはいない。

 また、RC建築に対して施される密着式外断熱工法であっても、下の階の火災が外壁を伝って上階に延焼しないかどうか、設計者・発注者は考えているだろうか。この安全性を検証する試験は米国で行われており、米国ではこの試験の合格品のみが使用可能なのに対し、日本ではこの試験制度がないため採否の基準になっていない。もちろん基準法違反ではないため、発注者や設計者の責任は問われないが、その事実を知りながら安全性を無視したとなっては、寝覚めも悪いだろう。

 上記試験に合格した外断熱のメーカーはアメリカに5社あり、そのうちのいくつかは日本でも販売されている。現在、大学・消防・国交省がこのテーマを重視しており、いずれ安全性についての見解を出すことと思われる。しかし今でもインターネットでは詳しい情報を得ることができる。有志はサンクビット社のホームページをご覧いただきたい。