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電報
2005.5.22
 最近身近な知り合いの不幸でお悔やみ電報を打つ機会があったので改めて思った。以前からインターネットでお悔やみ電報やお祝い電報を打つことがあり、クレジットカード引き落としを利用すると居ながらにして「義理が果たせる」便利さに感心している。

 思い起こせば嘗て電報という物はわざわざ郵便局まで出向き、格子窓の小穴から覗き込むようにお願いして、渡された電文用紙に字数を指折り数えながら、何とか10字、15字、20字というきりのいい字数で最大限の表現を心がけるものだった(小津の世界?)。この仕組みは小学校でも教えられ、本物の電文用紙に電文を書かされた記憶がある。

 息子から「カネオクレタノム」を受け取った母親が、「すぐ送るから服むな」と答えたという笑い話もある。

 さて、根がケチな筆者が感じたのは、電報の経済合理性である。インターネットを使った最も手軽なお悔やみ電報の打ち方はこうである。ホームページからまず用紙柄を選ぶ。これには左から1050円、2100円、1575円の3種類がある。中央にさりげなく高額の柄が置いてあり、うっかりすると1200円と思わせるところは流石である。知らずに騙された人も多いことだろう。ところで言い忘れたが一昔前電報は郵便局でも受け付けていたが、もともと旧電電公社の所管であり、現在NTTが引き継いでいる。

 電文を送るのであるから文章を考えねばならないが、これも決まり文句、紋切り型が並んでいてそこから選択すれば世間に通りのいい電文を送ることができる。心が籠もってないなどと言うなかれ、紋切り型は長年の先人達が推敲に推敲を重ねたものであるから満点ではなくとも合格点は取れる。差し障りのない30〜50字程度の文章を選択して宛先、自分の名前を入れて出来上がる。未だに自分の名前を含めた本文の字数や毛筆フォントかどうかで料金が変わるというのは笑止だが、大体これで一式2500円〜4000円。

 これを高いと見るか安いと見るかだが、柄のはいった用紙の質が多少いいからと言って、配達完了通知もない、書留でもない100g程度の用紙の配達料金と考えればかなり高い。文房具屋で香典袋を買って、カードを添えて3000円の香典を包み、(ルール違反だが)郵便局の先払い定形小包郵便物(500円)でポストに入れれば、配達追跡調査がインターネットで行えてざっと4000円だ。スピードも申し分なく経験では大体翌日には届く。

 さて、この分野、現在の郵政改革とも絡むのだが、「信書」は郵便局の独占事業となっている。この規制が撤廃されればクロネコヤマトの電報便という商品が開発され、配達追跡込みで1000円以下。もちろん、毛筆墨痕鮮やか、更にはオプションで香典付きだって可能だろう。何十万円の品物を運ぶ会社が現金となると100円も送れないというのは、どう考えてもおかしい。ここを緩めることは国民のためにはなっても郵便局の利益にならないからだろう。NTTは既に民間企業であるから、その事業と同種のサービスをクロネコはできないものだろうか。よくわからない。