| 2005年7月23日午後4時35分ごろ、関東地方で強い地震があり、東京都足立区で震度5強、埼玉県南部、千葉県北西部、千葉県南部、神奈川県東部で震度5弱を記録した。小さな地震でも運が悪いときには死者が出かねないことを考えれば、けが人程度で済んだのは幸いであった。言い方を変えれば、数字とは裏腹にその程度の地震だったのだ。逆に数字以上に非道い被害のこともある。何事でも数字はあまり信用しない方がいい。
実際の被害は、2〜3メートル程度の鉄塔(アンテナ塔?)がビルの屋上から隣家の屋根に落下したこと、屋内立体駐車場から自動車が転落したこと(車の止め方が悪かったのか、よほどの欠陥製品?)、50件足らずのエレベーターで人が閉じ込められたこと位しか報道されておらず、テレビでも本屋の本が10冊ほど床に落ちたところや、コンビニで陳列商品がいくつか落ちたことを店員にしゃべらせるなど、映像作りに苦心していた。
一方、事故こそ少なかったがエレベーターの停止は4万台に及んだという。万一人が閉じ込められた場合、いざという時には管理会社が来なくても安全に脱出できる方法を早急に工夫しなければいけない。今すぐ実行可能な方法として、ビルの管理者やマンションの管理組合などが事前に訓練を受けておいて救助にあたるという方法はどうだろう。要は安全にエレベーターを固定して救助に専念できればいいのだ。あとの回復は技術者に任せればいい。
メディアにとって絵になるのは、首都圏の電車が全てストップして乗客が駅に溢れかえっていたことだろう。日経新聞では次のように書いている。『出張帰りの奈良県生駒市の男性会社員(41)は「秋葉原駅から30分かけて歩いてきた。早く新幹線で帰りたい」と話した。』 一体、日本人はいつから30分も歩くのが大儀になったのだろうか。日経の記者にとっては、秋葉原〜東京が指呼の間であることぐらい、自社ビルから眺めてみればよく承知しているだろうにと思う。
それはともかく、公共交通機関の混乱振りと、それを責め立てる乗客の無責任な姿には毎度のことながらうんざりさせられる。いくら土曜とはいえ、鉄道会社の保安員は各拠点に待機していたはずである。すぐに動き出せば1時間もかからずに安全は確認できただろう。それを見込んで運行担当(俗にスジ屋という)は配車計画を練り直しただろう。ホームの空きを狙って電車を動かすことは簡単ではなかろうが、そこは専門家だもの意地にかけてもやり遂げただろう。ここから先は筆者の推測だが、運転手・車掌のやりくりに手を焼いたのではないだろうか。確かに多くの人手を余らせていることはなかろうから、それなりの苦労はあろうが、事態は非常時である。地震の直前まで運転していた運転手だって、残業を物ともせずそのまま待機させる程度には運用の幅がないのだろうか。山手線は素人考えながら、ぐるぐる回りだから配車の最もやり易いところなのに回復は遅かった。次にこのような混乱があったときには、マスコミは真っ先に電車区に駆け込んで運転手がどのような動きをしているか取材して貰いたいと思う。
一方乗客も乗客だ。つまり我々の側も問題だ。今回の場合、まだ日が高い時間での地震だったから、その気になれば大半は歩いて帰宅できたはずだ。散々遊び回っておいて、「えぇっ〜〜? まだ動いてないの?」はないものだ。マスコミが連中にサバイバルを教えたいのなら、『文句を言わない。相手に期待しない。自分で歩こう。』くらいの標語をニュースの合間に叫んでみたらどうだろう。その上で本当に援助を必要とする人に手を差し伸べなければ、声なき声は掻き消されてしまう。
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