| 読売新聞に「活字文化プロジェクト」という活動があることを最近知った。以前から活字離れに危機感を抱いていたグループが、読書習慣を涵養しようと云う目的で活動を行っているようだ。
読売新聞が昨年10月に行った世論調査では、1か月間に本を全く読まなかったと答えた成人は50%。また全国学校図書館協議会の調べ(2004年5月)では、1か月間全く本を読まなかった高校生は43%おり、大人・子どもを問わず活字離れが進んでいるそうだ。
活字離れに対しては国レベルでも問題視しているらしく、この前の国会で「文字・活字文化振興法」という法律が満場一致で成立している。わざわざ法律を作らなければならないほど、字を使わなくなったという事だろうか。長くなるが、その目的を引用する。
「第一条 この法律は、文字・活字文化が、人類が長い歴史の中で蓄積してきた知識及び知恵の継承及び向上、豊かな人間性の涵養並びに健全な民主主義の発達に欠くことのできないものであることにかんがみ、文字・活字文化の振興に関する基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文字・活字文化の振興に関する必要な事項を定めることにより、我が国における文字・活字文化の振興に関する施策の総合的な推進を図り、もって知的で心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする。」
いい事づくめのようだが、ここでは「文字・活字文化」を破壊した政府の責任については全く目をそらしていると筆者は見ている。政府の責任とは具体的には戦後の漢字制限のことであり、その後に続く教育現場での国語軽視である。
戦後すぐに文部省は「国語審議会」を利用して漢字制限・日本語破壊を行った。これは漢字や旧かなが「旧体制」の権化であるかのような「言いがかり」を付けて、漢字使用制限を行い、いずれは漢字全廃を目指していたものである。新聞はそれに対し反対するどころか、新聞発行の簡便のために政府のお先棒を真っ先に担ぐというみっともない真似を行い、故山本夏彦氏に「新聞は自分の利益のために一国の文化を売った」と批判されている。
流石に戦後の混乱を抜けると国民も批判の目を向け、徐々に漢字制限を撤廃していき、つい先年国語審議会が解散させられたのは同慶の至りである。
しかし、戦後文部省の指導で学校における国語の時間はどんどん削られていき、読解力理解力が下がっていることはなお憂えるべき事だ。「ゆとり教育」と称する手抜き教育に行き着き、「ゆとり教育」世代の中学生に文部科学省大臣が謝罪するという珍事まで発生している。一国の教育文化政策すら官僚には任せられないのではないかと切実に思う次第である。郵政の次は文科省の民営化を推進する党が現れないものだろうか。 |