| 1970年代にアメリカで問題とされたシックビル症候群を日本ではシックハウス症候群(通称シックハウス)と呼んでいる。和製英語である。
この症候群は新築・リフォーム後の住宅などで、居住者が頭痛、のどの痛み、眼の痛み、鼻炎、嘔吐、呼吸器障害、めまい、皮膚炎など様々な体調不良を訴えるケースがあり、患者にとっては大きな問題である。
共同通信の配信(2005.7.25)によると、厚生労働省研究班の調査で湿度環境が悪いほど発症リスクが高いということだ。北海道大大学院岸玲子教授が発症率や住居環境との関係を全国規模で総合的に調べた結果、目鼻のかゆみや痛み、頭痛などの症状がいつもあり、家を離れると改善する場合を「シックハウス症状」と定義。全国の発症率を「0・8?1・8%」と推計している。
シックハウスの原因は化学物質だけではない。住居の湿度に関する質問では、「結露が発生したことがある」との回答のほか「カビの発生」「カビ臭さ」「タオルの乾きにくさ」「水漏れ」といった項目に該当する数が多いほど発症例が多かったとのことで、カビが発生しないような対策も必要であり、(特に冬場の)湿度管理の重要性にも目が向けられた格好だ。
湿度は一般に管理が難しい。冬は空気が乾燥しているので、暖房して温度を上げるとますます乾燥がひどくなる。そこで加湿となるのだが、暖房された部屋は適切な湿度になったとしても、暖房していない部屋にまで湿気(水蒸気)が行き渡り、加湿オーバーとなって結露が発生する。北側のあまり暖房しない部屋などで起こりやすい結露現象である。
また、暖房室といえども、窓ガラスが結露するように、その廻りの壁の中でも結露が起こっている可能性がある。これが壁内結露である。見えないところで発生する結露は拭き取ることもできず、冬中湿潤状態が続きカビが発生する。
このホームページでもおわかりのように、コンクリート住宅では外断熱が最も有効な温度コントロール構造で、壁が暖かく露点以下にならないため、結露が発生しない健康な住宅となる。
今お住まいの家がマンションであれば九分九厘内断熱であろうし、そのかなりの家では(気付かなくても)壁内にカビが発生している危険性がある。
内断熱を外断熱に変更することは、大規模修繕などの機会を捉えなければ難しい。数年後の改造を目指して住民の間でコンセンサスを形成するためには、外断熱の専門家や外断熱の建物に住んでいる人の話を聞いたり、外断熱の建物を体験するなど長期的な取り組みも必要だ。筆者も時々そのような相談に応じているが、関心のある方はご連絡を。 |