『財界展望』2005年11月号でジャーナリストの飯村直也氏が刺激的な記事を掲載している。以下、拾い読みの形で引用するので、関心のある向きは同誌をご覧頂きたい。
標題は「スーバーゼネコンが『外断熱』に転向する」。サブタイトルは「ちょっと待て! 現在販売中の『内断熱』マンションは買うな」である。(以下「」内は若干の修正を加えた記事の引用。)
書き出しで、同誌では2002年6月号と2004年4月号で内断熱の「欠陥」について指摘していたことを述べている。それぞれのタイトルは「日本のマンション『寿命30年』は国交省・ゼネコンの大罪」、「外断熱マンション台頭で囁かれる”新型不良債権”大量発生」である。特に後者の記事では「大手(ゼネコン)が(外断熱工法に)動き出したとき、既存の内断熱工法で施工された物件の資産価値暴落と不良債権が発生する」と予測している。
次いで、外断熱工法のメリットをわかりやすく列挙した後、「外断熱工法が日本で普及しなかった根本的な原因は、旧建設省と大手ゼネコン各社や著名建築家等が、大局的な視点を持たず、目先の収益を優先させた」と断じる。せっかく、「(各企業が)欧米の外断熱工法を研究した過去がある」にもかかわらず、1〜2割のコストアップを理由に「判断を誤った」。「外断熱工法を施工する建物やその購入者に、補助金やローン金利の優遇策を講じていれば」良かったのだと主張する。
近年は省エネルギー政策として、政府も省エネ住宅の普及を目指しており、特に最近の原油高対策に「断熱性能が高く、冷暖房効率のよい省エネ住宅などに適用するローン金利の補助制度を2006年度は今年の3倍となる15,000戸に増やすという。悪くはないが、この支援策には大きな欠陥がある。(性能基準として)湿気(水蒸気、結露)の項目がなければならない。すると内断熱工法が対象外となり、外断熱工法しかクリアできなくなる」。これは、外断熱のメリットとして挙げた「カビやダニの発生抑制(による健康住宅)を遠因とする医療費の軽減や、建物寿命が100年以上に及ぶことによる資産価値の維持と産業廃棄物処分量の大幅な軽減」など内断熱では得られない効果を念頭に置いての見解である。
メインテーマについては、大手5社の外断熱工法への取り組みをホームページやインタビューで検証し、今のところ各社は表だって外断熱工法にシフトはしていないが、「(外断熱工法のみが正しい断熱工法であるという)法的な基準が明確に変わった時点で、(ゼネコンは)過去に対する免罪符を与えられることに」なるので、「(潜行して)特許や独自開発による工法と、建設生産性を考えたコストダウンを図り、(ある日突然)市場を席巻しようという戦略」が「透けて見える」と結んでいる。 |