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危ないマンション 恐怖!カビ大繁殖

2003年4月17日、日本テレビ「ニュースプラス1」で標記のような特集番組が放映されました。見逃した方のために誌上採録を試みましたのでご参考に。


 子供たちを中心に急増するぜんそくやアトピー性疾患などのアレルギー疾患。
 
家の中のカビがこうした状況を引き起こしている一因である。国立西札幌病院アレルギー科仲野龍己医長「アレルギーの患者数はこの30年で増えている。今では国民の3人に一人がアレルギー疾患の患者。原因は生活環境の変化でその1つが住宅環境の変化。今の住宅環境は人間にとって快適だが、カビ・ダニにとっても成育しやすい」。カビの種類は6万4,200種あり、そのうち100種類は人体に悪影響を及ぼす。

 カビ被害が急増中の築30年(160世帯)を取材。
 
マンション管理組合理事長「湿ったり、乾いたり、湿ったり、乾いたりしてカビが生えて壁が黒くなっている」。北側の床と壁に湿気がたまり、壁一面のカビで床下も湿気ている。「カビのにおいがひどい。カビが健康上、有害か無害か、住民が不安に思っている」。入居3年目のある住戸を訪問。ここでも物置の壁に大量の湿気。3年前に入居したときはカビで真っ黒だった。北側の和室の壁にもカビが大量に発生。カビは家具の裏に生えていた。窓には大量の水滴が発生し、窓の下に大量の水滴がたまって水浸しの状態。窓サッシにもカビ。壁は大量の湿気。

 お茶の水大学生活科学部田中辰明教授に質問。
 
なぜカビが生えるのですか?「大量の水蒸気による結露現象が原因」。
 結露とは氷を入れたコップに水滴がたまる現象。水蒸気には暖かいところから冷たいところに移動する特性がある。ガラスの表面に水滴ができるようにマンションでも同様のことが起こる。コンクリートは外の冷たい空気で冷えた状態にある。室内の空気中にある水蒸気が冷たい所へ移動して壁に結露が発生。するとカビが発生。さらに結露ーカビーダニー死がいーカビ、と危険な悪循環となる。

 このマンションは無断熱のためコンクリートが冷え、結露・カビが発生した。現在の工法はコンクリートの内側に断熱材を吹き付けるが、約30年前は無断熱マンションが多い。

 カビの人体への影響はどうか。
 このマンションの壁のカビと空中のカビを採取した。田中教授の調査によると「部屋からは約10種類のカビを検出。ペニシリウム、アスペルギルスを多く検出。アスペルギルスの中には肺炎症状を起こすもの、ペニシリウムの中には肝臓がん・アレルギー疾患を起こすものがある。

 最近のマンションにもカビが大発生している。
 築14年経ったカビ被害のマンションを取材。北側居室で壁にカビが大発生している。居住者「カビ取り剤でも取れない。マスクをして寝ている」。壁に断熱材が入っているのに。壁紙は湿気でふやけている。石膏ボードの裏全体にカビ。コンクリート、断熱材、石膏ボード、壁紙がカビで変色している。

 環境建築コンサルタント堀内正純氏「これから暖かくなるとカビの胞子が飛ぶ。冬はカビが眠っている状態。一定の条件になると培養して出てくる」。これからの時期が危険。
 調査員「コンクリートまでカビが生えてるんですよ。コンクリートが湿っている」。堀内氏「部屋の中で発生した湿気は外に向かって行き、断熱材とコンクリートの間で結露する」。

 結露発生のメカニズムをアニメーションで図解。
 壁の中には数種類の建材があり、境目に結露が発生する。そこでカビ・ダニが繁殖。「壁の中にはいろいろな建材が入っているのか?」(調査員)。「日本のマンションの壁の中は全部このような状態」(堀内氏)「ということは日本のマンションの壁の中はほとんどがカビ?」「カビが大量に発生している可能性がある」(堀内氏)「断熱材があればカビが生えないのでは?」「内断熱という工法だとカビの生える危険性がある」(堀内氏)

 内断熱工法とはコンクリートの内側に断熱材をいれる工法。
 この方法ではコンクリートが外気に同調して冷える。水蒸気は冷たい方へ移動し結露が発生、やはりカビ・ダニが繁殖。内断熱は無断熱と変わらない。内断熱・無断熱マンションは99.9%。

 都市居住環境研究所吉川翠代表「カビ防止のポイントは換気と除湿。窓は2カ所開ける。タンス等は後ろを5センチ以上空ける」
 カビ取りの方法。キッチンペーパーに漂白剤を吹きつけ壁に貼る。すると胞子が飛び散らないでカビが死滅する。乾いたら捨てる。簡単で衛生的な方法。

 カビが生えない建物はないのか?堀内氏「解決方法は外断熱しかない」。

 外断熱工法とはコンクリートの外側に断熱材を置く工法。
 コンクリートが冷えにくい。壁と室内の温度差が少なく結露しない。

 日本はなぜ内断熱ばかりか。
 建築業界関係者(覆面インタビュー)「1番の理由は利益優先。工期を縮める必要がある。企業間の競争が激しくなり、勝つためには工期と仕事のしやすさが重要。それが利益につながる。それで皆内断熱に走った。「まずいなあ」と思いながらやっている人が多い」。
 内断熱が主流なのは利益優先主義。外断熱は外側から断熱材を設置するので手間がかかる。内断熱は材料費が安く雨天でも作業可能で工期が短い、コストがかからない。それで内断熱が主流になった。

 国土交通省住宅生産課 寺前實課長に質問。
 外断熱と内断熱どちらが良いか?「外断熱は、内断熱より結露はしにくい」。ではなぜ健康面からも外断熱を指導しないのか?「コスト面、施工性や維持管理の点では外断熱が不利なので、どちらを選ぶかは建築主と設計者の判断。外断熱がよいと国としては言えない」。国は外断熱の良さは理解、しかしコスト面を問題として、事業者の選択に関与せず。しかし外断熱を知らされてなければ国民は判断できない。

 都内で初めて外断熱のマンションが発売された。
 「リリーベル領国北斎通りサーモス」(康和地所)。周辺に比べ販売価格が約1〜2割高い。
 建築家(1級建築士)加藤清彦氏「内断熱マンションは30〜35年で建て替え。外断熱マンションは100年以上もつと思う。購入時2割高くても100年もてば安いのでは」。光熱費の面でも外断熱の方が明らかに経済的でもある。