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Vol.8

 久しぶりのスキー楽しかったわ。 北海道でじゅんと一緒に休暇を過ごせるなんて夢にも思わなかったけど、私たちまで伯父さんのお家に泊めていただいていいのかしら?

 もちろんよ。 伯父夫婦がバリ島へ旅行中、留守番がてら友達を誘ってスキーに来たらと言ってくれたんですもの。 ワルパをおいては行かないって言ってたマイもアサコちゃんが来るなら行くと言ってくれたから却って助かったわ。 

 ありがとう。 そのかわり雪かきはまかせて。 一度やってみたかったのよね。 子供たちにもきっといい経験になるわ。 


 たのもしいけど、意外と大変だから覚悟してね。 ここはスキー場だけじゃなくて温泉も近いの。 明日行ってみましょうか。 



 わぁ、楽しみ。 それにしてもさすがに北国の家はあったかいわね。 家中どこも同じ温度で冬だってことを忘れそう。

 


 北海道の家は「北方型住宅」と呼ばれて早くから寒さを防ぐ研究が進んでいるから断熱性能ではトップクラスの住宅がたくさん建てられてるんですって。


 厳しい寒さだからこそ家の中では快適に過ごしたいと思うんでしょうね。 薄着でいられるから、活動的だし洗濯物も少なくてすむわ。


 どうしてうちより暖かいのって言いたくなっちゃうわよね。(笑)  洗濯は夜やって家の中に干しておけば翌朝乾くって伯母が言ってたけど結露はしないのかな?


 暖房は灯油のセントラルヒーティングなのね。

 


 24時間連続暖房よ。窓はペアガラスで断熱性、気密性とも高いから暖房ロスは少ないでしょうけど居心地いいだけの光熱費は払ってるかもしれないわ。


 これがコンクリート外断熱なら蓄熱効果で留守の間暖房を切ってもそれほど温度は下がらないはずなのになぁ。 外断熱のマンションでは外気温が-5℃の時に一日暖房を消しても室温は20℃から1℃しか下がらないというデータもあるそうよ。  

 これだけ雪が多くてもそんなに効果があるなら晴れる日の多いところでは太陽熱でもっと暖かくなるってことね。 うちはますます無駄なエネルギーを使ってるという気がしてきたなぁ。


 寒い所では窓を開けるわけにもいかないけど換気はどうなってるのかしら?  

 


 この家は24時間換気システムですって。  

 


 暖房を逃がさないために高気密というのは分かるけど、換気装置をつけて結局エネルギーを余分に使っていることにはならないの?



 計画換気に使われるエネルギーは自然換気で失う暖房エネルギーに比べたら少ないし、いきなり温度差のある外気を入れないで、室温に近づけて少しずつ換気する熱交換型換気装置を使うとエネルギーのロスは最小限にできるのよ。 

《ゆりのレポート》 計画換気 ― 熱交換型換気システム
左が室内、右が屋外です。冬季に換気を行うと空気の入れ換えと同時に熱も奪われていきますが、熱交換型換気扇の場合は熱の一部は室内に戻ってきます。機器メーカーには70%の熱回収効率を謳っているところもあります。

 なるほど、エネルギーを使わないというだけじゃなくて使ったエネルギーをさらに無駄にしない工夫も必要なのね。 


 次世代省エネ基準でも計画換気は高気密と共に義務付けられてるのよ。 地球温暖化防止のためにCO2を大幅に削減するには家を根本的に改造するしかないのかしら。


 家を建てかえるにも大量のCO2が出るんだからそう一気にというわけにはいかないわよ。 でも暖かい地域でも高断熱、高気密、計画換気は大切だってことね。

 あら、また雪が降ってきた。 子供たちはまだソリ遊びをしてるのかな。 この一面の雪景色、まるでグリーンゲイブルズのアンになった気分。

 アンシリーズは母の若い頃の愛読書で「イングルサイドのような家に住みたい」というのが夢だったと聞いてたのに、新しい家を建てるのに母の希望を聞いたらたったひとつ、「畳の部屋が欲しい」って言うことだったのよ。

 へぇ、あのゆりよりモダンなおばさまが畳のお部屋に住みたいというのは私も意外。 でも分かる気がするな。 青畳の匂いって次世代に引き継ぎたいもののひとつだわ。 
あ、ユウ君が戻ってきた。 寒かったでしょう? ココアでも飲む?

わーい。ココアあったかいスノウ!ぼく大スキー! 


 ふ〜む。ゆりの血は確かに次世代に引き継がれてるわ。

 

《ひと言講義 換気》

換気は室内の汚れた空気と屋外の新鮮空気を入れ換える目的で行われます。もっと具体的にいうと、人が呼吸をしたり、調理でガスを使うと室内の酸素が消費されます。人にとって酸素は絶対に必要な気体ですから必ず補給しなければいけません。補給する新鮮空気の目安は一人につき1時間に30立方メートルです。4人家族だと120立方メートルになります。これは100平方メートルのマンションの全容積の約半分です。つまり1時間に0.5回の換気が必要ということになります。
ゆりのレポートで書かれているように、換気の時に熱の損失を少なくするためには熱交換換気扇を使うといいわけです。
最近都会の空気は必ずしも清々しいものではなく、車の排気ガスや砂埃や花粉なども含まれていることがありますから、換気経路を明確にしてフィルターを経由させて、空気を清浄化させることが重要と考えられるようにもなってきました。


< to be continued >

 
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